与太話。

渋谷や新宿には若者がいる。若者は安い服を着て安いものを食べているからそういう店が並んでいる。街のデコレーションは原色が多くてあまり上品とは言いづらい幟が立ち並び寒さに震えながらアルバイトのお姉さんがチラシを配っている。

青山や六本木も若者の街だというけれど、高い服や高いレストランが並んでいて歩いているのはビジネスマンか中高年が多い。このご時世にランチに3000円かけられる人がどれくらいいるのだろうかとも思う。そういう人も確かにいるけど、それって基本若者じゃないよねえ。


私は不況、不景気ということがわからない。実感出来ない。実家に戻って丁度1年になる。家賃と食費がかからない生活。働いた賃金の半分は家に入れているけれど、服も本もレコードも欲しくなくなったのでたまに外出すればちょっとおいしいものくらいは食べることは出来る。相変わらず北京ダックとフォアグラは相当な贅沢だとは思うけど、そんなのも年に1度食べられればラッキー程度のご馳走。女子だからキャバクラ行きたいとも思わないし、旅行は諸処の事情でまだ無理。今欲しいものといえばテレビに繋ぐHDレコーダーとかパソコンの周辺機器くらいで、貯金はしてないけど携帯電話の支払いくらいなら問題ない。

私が若者だった頃はマクドナルドのハンバーガーも高かったし、サイゼリアユニクロもなかったから今よりもっとお金はかかった。もっと若かった頃は日本全体がもっと貧しかったからお風呂がなかったり電話がないおうちも沢山あった。


若い人に不況や不景気について尋ねてみた。年収が800万円あったら結婚してマンションを買って子どもを産んだりしますかと尋ねても、それとこれは別だという。自分の収入が幾らあれば満足とはいかなくてもよしと出来るのかと尋ねても明確な答えは返ってこない。
景気がよくなれば物価が上がるだろうし、一時的に収入が増えても社会が安定していなければ精神的には不安定らしい。
もっと言えば金じゃないんだとも言われる。金より時間。


家のパソコンのプロバイダが幾ら、モバイルの分が幾ら、携帯電話が幾ら。テレビのNHKが幾ら、ケーブルにも幾ら。高額なサービスだとは思わないけれどこういうのは私の若い頃にはなかったけれど、今はなくてはならないサービスだし、都内、うちのあたりでは一人暮らしの家賃だって相当な金額になる。

社会のことに文句を言えばキリはないけれど、じゃあどうなって欲しいのかという質問の明確な答えが出てこない。