調子よく暮らしていると時折深い穴に落ちる。

この穴は調子がよければよいほど深く痛く感じるので、しばしその穴に身を横たえて、昇る太陽や月や星や風や雨や雪とだけ対話することになるのだ。それはそれで決して悪くないので、のんびりしてしまうが、後々の社会復帰を考えるとそうもしていられない訳で、近くで穴にうずくまったまま死を待っているようにしか見えない人など見かけると、まだ落ちてもいない穴が急に怖くなってくる。
要は調子に乗ってる自分のことを少し怖いなって思った程度の話だが。