私は年齢の話はよくするけれど、年齢については年相応ってことで別に恥ずかしいことでもないし、本当でも嘘でもいいし、若く見せたい訳でもないし、若者にバリアを張っている訳でもないし、本当にどうでもいいのだ。
いずれにしても私は新しい老人になるのだ。私より少し上でもやっぱり老化に勝てなかった。若い世代を自称する老人も完全に加齢臭。
だけど、私と同世代のギャルがいる。相当無理はあるけれど、自分の軸足がそこにかかっている現役
のギャル。傍目から見たらヤンキー匂いおばはんってことになるのかもしれないけれど、自分の年齢とは確実に戦っている人たち、あるいは完全に実年齢を放棄した人たち。男の人はまだそこまではいってない。確実に老化している。
私たちは「男はいつまでも少年のheartを!」と要求した80年代女子のはしくれではある。現代社会がこんなになっちゃったことについては重く重く責任を感じている。
女子の意識改革のアイコンは松田聖子だって話は前にしたけれど、男子の意識改革は「草食系」、つい最近のことである。私たちがフェミニズムに初めて触れたように、男子はここへきて初めて自分のこととしてフェミニズムと直面した訳で、今の20代が年金貰うようになるまで「やっぱり男は勝ってこそ」というテーゼには追われる。
女子は今の40代半ばくらいからは本当にそういう人がいっぱいいる訳で盆栽や俳句といった老人趣味を一切持たないまま、ジャニーズだのお笑い芸人だのキティちゃんだので老人まで堂々と突っ走る人たちがいっぱいいそうなので、私たちは前人未踏の老人になる。
男の人たちもそういうのはそこそこそれなりに存在するんだけど、「やっぱり男は勝ってこそ!」の呪縛は効いているのでそこからはやっぱり負け犬の匂いが消せない。親戚の冠婚葬祭では褒めるところを探すのに困る人が多い。

そういう訳で現在老人の嗜みとして勉強してきたことは大半が無駄になった。そうなってみればそれはそれで、という気もしないでもない。