与太話

晩年(今日のところは死ぬ数年前のことを晩年と言わせて頂戴)の子規はずっと死ぬ死ぬゆって苦しがっていたけれど、意外と仕事はいっぱいしていた。手紙だけ読んでると本当に心配したが、年表見ると意外とお盛んであった。

周囲には「死ぬ死ぬうるせーこと言う割にはなかなか死なないよなあ」と陰口叩く人もいたであろう。
本人だってあれだけ死ぬ死ぬゆってなかなか死ねないのはカッコ悪いよなあくらいは思っていたであろう。もちろんそれと死に対する恐怖は別次元の話であるが。

正直漱石の方がずっと大人だ。漱石からの手紙ばっかりだからデータは確かに偏っているけれど、分別がある。
こういう時は大人だと思って譲ってあげなさい。ということを教えて戴く感じ。

でも、今は理性的な漱石より正岡子規の方がずっと読みたい。春を待ちわびる感じに似ている。